イラストレーターとグラフィックデザイナーの違いとは

イラストレーターとグラフィックデザイナーは全く違う職業です。近年ではグラフィックデザイナーがイラストレーターの仕事を行うケースも増えているので、2つが混同されてしまうことが増えています。けれども実際には全く別のものであることを理解しておきましょう。グラフィックデザイナーは雑誌や新聞の広告、コマーシャルなどのプロモーションツールにおいて情報を伝える仕事を行うことになります。デザインやレイアウトを考え、編集や入稿データの制作まで行うことが特徴的です。UI(ユーザーインターフェース)を考え、多彩なソフトを運用しながらビジュアル化していく仕事だと言えます。企業のブランディングに関わる仕事だと知っておきましょう。

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一方で、イラストレーターは商業イラストを描く人です。出版物の表紙や挿絵としてのイラスト、広告やコマーシャル用の絵を描くことになります。制作するための方法は1つではなく、ソフトを用いる人もいれば手描きの人もいることを知っておくと良いです。このように、具体的な仕事内容や特徴をチェックしてみると、違った仕事であることが分かるでしょう。イラストレーターとグラフィックデザイナーは性質が違うものなので、こういった職業を目指す場合は違うものであることを理解しておく必要があります。ただし、最近では人件費の削減を目的としてグラフィックデザイナーが絵を描いたり、生計を立てるためにグラフィックデザインまで行うイラストレーターが増えていたりすることを知っておきましょう。

インフォグラフィックデザインソフト: Canva

データや情報などを視覚的に表現するインフォグラフィックは様々な用途に活用されていますが、Canvaはインフォグラフィックをデザインするのに便利なツールです。

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Canvaは、オーストラリアで開発されたグラフィックデザインツールで、2019年の段階で世界190カ国で月間2,000万人以上のユーザーに利用されています。基本機能を無料で利用できるとともに、ソフトをPCにインストールする必要がなくブラウザからオンラインでデザインすることが可能です。加えて、GoogleFacebookなどのアカウントでログインできるので異なるPCでの作業も手軽に行えますし、スマホ版のアプリもリリースされているのでスマホからでもデザインできるという特徴があります。

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また、Canvaには数多くのデザインテンプレートが用意されているので、簡単にインフォグラフィックデザインが作成できますが、有料会員になることでオリジナルのテンプレートを保存することが可能です。保存したテンプレートはチームで共有できるので、組織全体でアイデアを共有してコラボレーションするのが容易になります。有料会員になると、その他にも利用できる写真などの素材が増えるとともに、ストレージ容量が100GBまで拡張される、フォルダを無制限に作成できる、ワンクリックで背景画像を削除できる、デザインのサイズを自由に変更して出力できるといった機能も利用できます。有料版には無料トライアル期間も設けられているので、興味がある方は試しに利用してみることをおすすめします。

3D グラフィックデザインソフト:Blender

Blenderは精密なグラフィックによる3D表現が可能な3DCGソフトです。オープンソースで公開されているのが特徴で、無料で使用することができます。数々のテクノロジーを詰め込んだ優秀なソフトであり、その機能性から全世界で活用されているBlenderについて紹介します。

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アイディア次第でさまざまなモデリングができるBlenderですが、Windowsとinux、そしてMacOSにも対応したプラットフォームも魅力の一つでしょう。幅広い環境で利用できるため、自分の使っているコンピュータではOSが適合しないといった事態はあまりありません。

また、他のソフトで作ったファイルとも互換性を持ち、3Dモデルのインポートが可能です。一部分だけ別のソフトで作成し、ファイルをインポートして残りをBlenderで完成させるといった手法も有効でしょう。たとえば3Dモデリングソフトの一つであるMetasequoiaのファイルは、利用互換用のスクリプトを使用すればインポートが行えます。世界中の人々が利用しているオープンソースならではの柔軟性もまた、Blenderの魅力となっています。

高い機能性を持っていることから、モデリングテクスチャマッピング、ライティングなども可能です。アニメーション、モーショントラッキングスクリプト編集なども得意分野です。

使い方によってBlenderはさまざまな分野で役立ちます。3DCGを作成したい人は、ぜひ使用してみることをおすすめします。

ベクター画像デザインソフト: Inkscape

ベクターの画像デザインソフトInkscapeは、プロフェッショナルの使用にも耐える非常に高いクオリティで様々な画像デザインを行うことができるのが特徴となっています。しかも様々な一般的なグラフィックソフトと互換性があるため、非常に効果的に利用することができるのもポイントです。工業用のデザインだけではなく、一般的なイラストなどにも気軽に使用することが出来るのも魅力となっており、非常に使いやすいものであることも大きな特徴です。

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一般的にグラフィックソフトと言うと大きく2つに分かれ、ビジネスで利用する工業用のものは非常に繊細な表現を行うことができる代わりにその操作が複雑で難しいと言う場合が少なくありません。そのため初心者には紹介できないような非常に高度なものとなっている場合が多く、上手にグラフィックを行うことができても、これを使いこなせるようになるまで非常に時間がかかると言う欠点がありました。初心者向けのものは使いやすさは非常に魅力的であっても、プロフェッショナルが自分の表現力を生かすための機能が備わっていないと言うことが多く、そのためになかなか良いソフトに巡り会えないと言う人もこれまでは多かったものです。ベクターの画像デザインソフトInkscapeは、この両方を満足することができる非常に高い機能性と使いやすさを兼ね備えたものとなっており、多くのデザイナーや設計者から高い評価を受けているのが特徴です。

デザインソフト:Adobe XD

デザインソフトAdobe XDは、最近非常に注目を集めているものとなっており、特に近年必要となっているモバイル端末のアプリにおけるグラフィックデザインなどにその威力を発揮しています。画像やデザインの編集ソフトでは人気の高いアドビの製品であるという安心感もさることながら、最近注目を集めているベクターのデザインソフトとの互換性も高いため、非常に使いやすいものと評価が高まっているのが特徴です。

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近年のwebデザインで要求されるポイントの1つに、美しいグラフィックでありながらその動作が軽いことと言う条件があります。スマートフォン等ではパソコンに比べてシステムリソースが非常に小さいと言う欠点があり、その中で効果的に様々な機能を動作させるためには、美しいデザインを表現することができるものでありながら、その動作が軽いと言うことが必須条件となります。デザインソフトAdobe XDはこの条件を満足する画期的なものとなっており、しかもその開発がWindowsMacOSの両方で利用することが出来るのも、大きなポイントとなっています。実際にグラフィックデザイナーはそのほとんどがMacOSを利用していることが多いと言う実態があり、システム開発者はWindowsを利用していることが多いため、これまでは多くのグラフィックソフトがその情報で動作することができないためにお互いの確認が非常に難しかったと言う問題がありましたが、このソフトではこの問題を解決することができ効率的な開発を行うことができることも魅力の1つとなりました。

画像作成デザインソフト:GIMP

GIMPという無料で使える、画像編集のソフトをご存知でしょうか。デザイン科の専門学校などで教師が推奨することもあるほど高機能で、写真の処理や編集が自由に行えます。MacOSWindows、そしてLinuxにも対応しているため、動作環境を限定せずに使用することができるのも大きなメリットです。実際にどのような機能があるのかというと、有料のillustratorにも引けを取らないほどの多機能さが魅力となっています。

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もちろんレイヤー機能も備わっており、ブラシなども豊富に使えます。GIMP自体は小さなドットを組み合わせて画像を映し出す、ペイント系のソフトにカテゴライズされていますが、illustratorのように手書きに近い状態で機能を使うことができます。ペイント系のソフトは世界中でさまざまなものが作られては消えていくという歴史を繰り返してきましたが、GIMPは1995年に開発されて以来、さまざまな手が加えられて、「ユーザー目線」で使いやすいように改良されてきました。

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編集ソフトというと高機能ともなれば数万単位で素人には手を出しにくいものが多いですが、GIMPは無料でも使用できるソフトのため、初めて使ってみたいという方でも気軽にインストール可能です。これがデザインの勉強をお金をかけずにしたいと思っている方にもぜひおすすめしたいソフトのため、公式サイトよりダウンロードされてはいかがでしょうか。

画像作成デザインソフト:Pixia

パソコンやスマートフォンでお絵かきをしてみたいけれど、どんなソフトを使ったらいいのか判らないという人もいるのではないでしょうか。ここでは老舗の日本製デザインソフトPixiaを紹介します。

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Pixiaは、イラストレーションの初心者でも手軽に利用できるデザインソフトです。1998年にリリースされたPixiaは長年にわたり多くの人に愛されててきたソフトで、現在ではWindowsAndroidに対応しています。Windowsと比較するとAndroidは少々機能が制限されますが、CGに慣れたい人や、アナログ以外の画材で初めて絵を描く人には十分でしょう。

また、PixiaWacomタブレットに同梱されていることがあり、手に入りやすいのも特徴です。タブレットを買った時に一緒についてきたからという理由で、Pixiaが最初に触れたお絵かきソフトになる人も多いはずです。

Pixiaはマルチコア対応、タブレットPC対応と使用できる環境も幅広いのも魅力です。Wacomに代表される各種タブレットにも対応しており、画面上で絵を描く感覚を身につけることができます。NHKの番組「趣味悠々」でも初心者向けのデザインソフトとして扱われたことがあり、誰でも気軽に挑戦することができます。

無料で利用できるソフトでありながら機能性は高く、ブラシや各種ツールが充実しているのもポイントでしょう。領域選択や塗りつぶし、テキスト描画なども利用可能です。